「セクハラ」や「パワハラ」のように働く女性を悩ませる〇〇ハラスメント。
この2つに加えて近年増加し、問題となっているのが「マタハラ」です。
一体何のことかわかりますか?
これはマタニティーハラスメントの略で、働く女性が妊娠や出産を理由に職場で精神的、肉体的な嫌がらせを受けたり、解雇されたり、自主退職を強要されるなど、不当な扱いを受けることを言います。
もちろん、妊娠を理由に解雇することは労働基準法違反です。
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マタハラはまだ一般的に認知度は低いですが、セクハラやパワハラよりも被害者が多く、泣き寝入りも多いと言われています。
被害者は多いものの、ハッキリとした証拠や目撃者がいなかったり、職場に助けてくれる人がいなかったりと一人で悩む女性が多いのもマタハラの特徴です。
マタハラは主に4種類に分けられる
まずマタハラは大きく2つに分けられるのですが、その中でもまた2つに分類されるので、全部で4種類あります。
1, 個人型
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①世代による考え方の違い
年配の男性からの「出産や育児に専念したほうがいい」「女性は家庭を守るのが役目だ」など退職を勧める言葉。
毎日のようにこんな言葉をかけられるのは、かなり苦痛ですが、ここで厄介なのは相手には悪意が無い場合が多いということ。
②いじめ型
妊娠や出産で仕事を休んだ分をカバーしなければならない同僚などからの文句や陰口。
「休めて当たり前だと思って」「妊娠の時期を考えろ」など怒りの先が妊婦一人に向けられてしまうのです。
2, 組織型
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③パワハラ型(労働の強制)
妊娠していても普段通りの仕事はもちろん残業もさせられたり、冷たく扱われたり。
妊婦の前でも、気にせずタバコを吸う人もいるそうです。
④追い出し型(労働の排除)
これが一番典型的なマタハラと言えるでしょう。
妊娠したことを鬱陶しく思われ、自主退職を強要されたり、正社員からパートへ格下げされたり。
妊娠している間は通常通り労働させ、産休や育休を取得される直前に解雇という場合もあります。
止まらない悪循環
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ご存知の通り、日本は深刻な少子化に悩んでいます。
そのため子どもを持つ女性の気持ちや、妊婦の苦労が理解できない人も増えています。
本来なら産休や育休を取得し、育児に専念したほうが体のためなのですが、実際にはそう簡単にはいきません。
若い女性や結婚している女性がいない職場で、自分だけが休暇を取得することは気が引ける人もいるでしょうし、産休を取得できたとしても、復帰しにくいということもあるでしょう。
そのため自分が望む時期に妊娠しにくい女性も多く、少子化が進む一方なのです。
具体的な被害対策は?
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なかなか難しいかもしれませんが、マタハラ被害にあった物的証拠を集めておくことが一番効果的です。
頻繁にマタハラ発言を繰り返す上司と会話をするときは、毎回ポケットにスマートフォンやレコーダーを入れておき、録音しておくことが一番確実な方法です。
あとは関連するメールや書類は、保存しておくといいでしょう。
マタハラは場合によっては、法律違反になることがあります。
明らかに自分に非は無いときには、一人で悩まず専門家に相談することも一つの手です。
まだまだ一般的に認知度が低いマタハラ。
改善されていくのはこれからですが、少子化だからこそ、女性が安心して子どもを育てていける社会に変わっていってほしいですね。