一日何回からが頻尿?
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よく耳にする頻尿という言葉。
トイレの回数が多いことを言いますが、一日何回以上トイレに行くのが頻尿なのでしょう?
一般的には、成人なら昼5〜8回、夜0〜1回が平均的な排尿回数です。
とは言ったものの、実は明確な基準が決まっているわけではありません。
しかし、一日の排尿回数が平均的だとしても、そのうち夜が2回以上であれば、頻尿であると言えます。
ここでいう夜とは就寝中のことで、眠りについたあとトイレのために起きなければならない回数を指します。
もちろん、コーヒーやお酒など利尿作用があるものを飲んだときや、大量に水分摂取したときに回数が増えるのは当たり前なので、至って健康です。
他にも体が冷えたとき、※トランス脂肪酸を多く含むものを食べたとき、緊張やストレスを感じたときにもトイレが近くなることがあります。
※トランス脂肪酸・・食品の加工技術の一つである「水素添加」によって生成されることが多く、天然の植物油にはほとんど含まれない。
一日に一定量以上を摂取することは好ましくなく、肥満やアレルギー疾患の原因になったり、心筋梗塞、狭心症、流産や死産のリスクを高める可能性がある。
パン、ドーナツ、ピザ、チョコレート、ケーキ、フライドポテト、アイスクリームなどに多く含まれる。
そもそもトイレに行きたくなる、尿意を感じるのは膀胱に尿が溜まっているときです。
膀胱には平均して約500mlほどの尿を溜めておけますが、200〜400mlほどでトイレに行くことが多いです。
また年齢や身長によっても膀胱に溜めれる量は違い、身長が高い人はもう少し多く、また80歳など高齢の人は300mlほどが許容量になります。
そんなに尿意が無いときに一応トイレに行くのはNG?
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トイレを我慢するのはカラダに毒。
あまり我慢しすぎると、尿路感染症などを引き起こす原因にもなりかねません。
しかしだからと言って、毎回そんなに尿意が無いのに一応トイレに行っておく、というのを繰り返していると、それに慣れてしまって膀胱に溜めておける尿の量が少なくなってしまいます。
それが原因で頻尿になり、ますますトイレに行くのが多くなる・・という悪循環に。
映画前や長時間の移動など、トイレに行けるタイミングが自由でないとき以外は、普段の生活では「行きたくなったら行く」がベストなタイミングがなのです。
他に膀胱を健康に保つ方法として、
・辛いものを食べすぎると膀胱の粘膜にとって、刺激になるので摂取しすぎない
・カフェイン、炭酸飲料の摂り過ぎも膀胱の粘膜に良くない
・外陰部を清潔にすることも大切ですが、石鹸で洗いすぎるのもNG
・便をしたときにお尻を拭いたトイレットペーパーで外陰部を拭かない(女子の場合)
・お腹を冷やさない
・便秘は代謝を低下させてしまうので、すぐに解消する
トイレの座り方が悪いと尿は残ったまま!
最近は男性でも座って排尿するという人が増えていますが、トイレの座り方が悪いとなんと約30%も膀胱に尿が残ったままになってしまうんです。
正しい座り方は、足の裏をきちんと床につけて上半身を少し前かがみにして座る、だそうですよ。
トイレの中で漫画を読んだり、スマホをしてしまうという人は、前にかがみすぎてしまうので注意。
また公共のトイレに座りたくない、便座が冷たいのが嫌という人で、腰を浮かせたままトイレをする人がいますが、これが一番ダメだそうです。
トイレを我慢すると尿が濃いのは・・
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すっごくトイレを我慢したときの尿って普段より色が濃かったり、水分をたくさん摂ったあとの尿は色が薄かったり、尿の色がいつもと違うときがありませんか?
尿の色も大事なカラダからのサインで、その色から体の不調がわかることがあります。
健康的な尿の色は濁りのない黄色で、この黄色は体に不要な老廃物の色です。
尿の色でわかることは、
①無色〜薄い黄色
水分過多、利尿作用があるものを飲んだとき
②濃い黄色
脱水症状、熱中症
③水分を摂っているのに濃い黄色
黄疸(肝臓、胆嚢の病気)
④オレンジ〜濃赤色
血尿(膀胱炎、腎炎、膀胱がん、腎がん)、激しい運動をしたあと
⑤白濁している
感染症(尿道炎、膀胱炎、性感染症)
※他にも青、緑、黒、茶色などの尿も場合によっては出る可能性がありますが、それは確実に病気のサインなので早急に病院に行きましょう。
我慢していないのにトイレの回数が少ない
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でも中には「普通に食事も水分も摂っている」「行きたいのを我慢しているわけではない」、それなのにトイレの回数が少ないという人がいるかもしれません。
一回の尿の量が多い、色が濃いという場合は溜めすぎが考えられますが、そうでない場合は危険な状態かもしれません。
健康な成人の排尿量は一日1000〜2000mlで、それが一日に400ml以下の尿しか出ないことを「乏尿(ぼうにょう)」と言います。
乏尿の原因は大きく分けて3つあります。
一つ目は腎臓に流れる血液量の低下で、血圧が低いと腎臓に血液がうまく運ばれなくなり、作られる尿の量が減ってしまうのです。
腎臓自体に異常はないのに、脱水症状や出血、心臓の病気、全身性の感染症、強いショックなどもこれを引き起こす原因になってしまいます。
二つ目は腎機能そのものの低下で、きちんと血液が腎臓に運ばれていても、腎機能が低下していては尿は正常に作られません。
三つ目は尿路結石や腫瘍など尿路に異常があるときです。
この場合は尿は作られているのに、体の外に出すことができないのです。
尿の回数が減ると体に不純物が溜まり、全身がだるい、吐き気、不整脈などの症状が出てしまいます。
普段からギリギリにならないとトイレに行かない人、水分を摂る量が少ない人、心臓が弱い人は特に意識して乏尿にならないように気をつけてください。
まとめ
・平均的な排尿回数は昼5〜8回、夜0〜1回
・水分をたくさん摂取したあとなど理由があるときは頻尿とは言わない
・行きたくなったら行く、がトイレのベストタイミング
・「足の裏を床につけて上半身を少し前かがみにする」のがトイレの理想の座り方
・尿の色もチェックする
・乏尿は危険なので、予防と早期治療が大切