冷たい食べ物が大好きで毎日食べている!という人もいるでしょうが、それがアイスやかき氷などではなく大量の氷だとしたら、ちょっと危険かもしれません。
氷食症とは?
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氷食症とは、栄養価のないものを無性に食べたくなる異食症の一つで、氷をガリガリ食べてしまうことを言います。
異食症は他にも土、紙、粘土、毛、木炭、チョークなど、通常ではありえない物を口にしてしまう症候です。
たまに氷が好きでドリンクを飲んだあと、最後に氷も食べる人がいますが、そんなレベルではありません。
「氷が食べたくて仕方ない」という強い衝動に駆られて、一日にたくさん氷を食べてしまう人が氷食症だと言われています。
ここで氷食症の人の特徴を見てみましょう。
①無性に氷が食べたくなり、一日に製氷皿ひと皿以上の氷を食べる
②めまいなどの貧血症状がある
③何気ない動作でも息切れしやすい
④すぐ疲れやすい
⑤顔色が良くない
⑥寝つきが悪い、または朝起きるのがしんどい
⑦口の中の温度が高く、冷たいものが欲しくなる
氷食症の人は体を冷やしてしまい、胃が荒れやすくなってしまいます。
胃の機能が低下すると代謝が下がってしまい、普段よりたくさん食べ物を摂取しようとして過食気味になります。
そして固い氷を大量に噛み砕くわけですから、顎関節症になってしまうこともあります。
貧血の人に多く見られる
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氷食症は妊娠中や、鉄欠乏性貧血の人に多く見られますが、最近では若い女性にも多く見られるとのこと。
そして環境の変化、人間関係、育児や夫婦間でのイライラなど強いストレスも原因だど考えられています。
妊娠中は、ホルモンバランスの変化などによる貧血とストレスの両方に悩まされる可能性が大きいので、特に注意が必要です。
貧血の場合、赤血球不足によって脳まで十分な酸素が行き渡らなくなるので、自律神経が正常に働かなくなります。
それによって体温調節がうまくできなくなり、体温が上昇または口の中の温度が高くなるので氷が欲しくなるのです。
また鉄分不足で味覚が変わることも原因の一つとして挙げられます。
味のないはずの氷を「美味しい」と感じて、いつしか氷を食べることが快感に変わっていくのです。
しかし貧血でもなく、女性ではなく男性の場合、他の病気の可能性が考えられます。
胃腸などから出血を起こしていたり、精神疾患による異食症などが考えられるので、心当たりのある人は病院で血液検査をしてください。
もし胃腸から出血している場合は黒っぽい便が出るので、一つの確認方法としてチェックしてみましょう。
改善と対策
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氷食症の原因が貧血の場合は食生活の改善を、ストレスなら睡眠や食事など十分な休息が必要です。
原因がハッキリしないけど、氷食症の疑いがあると感じたら、病院で原因をはっきりさせましょう。
氷食症を予防するには、貧血を予防&改善することが大切になります。
①適度な運動をして※ヘモグロビンを増やす
②十分な睡眠をとる
③大豆やレバー、ほうれん草、プルーンなどの鉄分の多い食べ物を摂取する
④赤血球を作る葉酸が含まれる牛乳や卵を積極的にとる
⑤食事で補いきれなかった鉄分は、サプリメントから摂取する
⑥鉄分の吸収を助けるビタミンCを摂取する
※ヘモグロビン・・赤血球中の大部分を占めている血色素で、酸素と結びついて酸素を運搬する役割。これが不足することで、体内に酸素が上手く運ばれず貧血や動悸を引き起こす。
氷食症はここ何年かで発見された比較的新しい病気です。
そのため自分でも自覚がなかったり、周りからも指摘されにくいですが、症状が重くならないうちに対策してください。